教員は教えながら、けっこう考えてる。

教えるだけじゃない、“考える先生”のつぶやき帳。

マナー違反?ハラスメント?これも教育?

今年度、教育実習を担当した学生が、春からうちの学校に入職した。
それだけでも嬉しいことだが、自分にとってはある種の責任も感じる。

 

彼女(仮にA先生とします)の育て方について、正直、いま悩んでいる。

私の新任教員へのスタンスとしては、「失敗するのが当たり前」。

むしろ、失敗から学ぶことの方が多いし、だからこそ**授業後の振り返り**を何より大切にしてきた。


授業中は口を出さず、終わってから一緒に「あのとき、子どもたちは何を考えていたのか」を語る。

 

それが彼女の力になると信じていた。

ところが、彼女の教育係として別の先生がついた。


どうやら、その先生が、授業中に**横から入ってしまう**らしい。

 

例えば、A先生が子どもに話しかけている最中に、 「こういうときはこうやって進めるのよ」という感じで、 そのまま授業の続きを始めてしまうのだとか。

 

……いや、分からなくもない。
新任教員の授業は、当然まだ不慣れで、話も通りづらい。
「私のやり方を見なさい」という善意なのかもしれない。

でも、子どもたちにとってはどうだろう?
授業を“横から取られる”姿を見た子どもたちは、
「この先生の話、聞かなくてもいいな。」「新人だから、あまり分かっていないんだな。」と思ってしまわないだろうか。

つまり、さらに、甘く見られてしまうことだ。

新人教員としては、なかなかに辛いことだと思う

 

実際、A先生はある日の放課後、**泣いて相談に来た。**
どうしていいか分からない、と。

 

正直、自分も胸が痛かった。
「その先生が悪い」とバッサリ言ってしまうこともできる。
でも、そうすればA先生は教育係の先生との信頼関係を失ってしまう。

 

**一人の教育係の“間違った善意”が、連鎖的にチームを壊してしまう。**
まさに、ドミノ倒しのような状況だ。

 

個人的には、**授業中に横から介入するのは“最低限のマナー違反”**だと思っている。
それとも、これって**もうハラスメントの域**なのだろうか……。

教育係の先生にも、少なからず「私の方が上なんだぞ・・・!」というマウントをとる姿勢が垣間見える。(普段から、そのような発言が多い人ではある。)

 

「教える」ことも難しいけれど、
「育てる」ことは、それ以上に難しい。

 

経験年数や役職に関係なく、
“新人にとって何が必要か”を、一人ひとりが見つめ直す必要がある気がしている。

 

彼女には、もう少し時間をあげたい。
そして、失敗も悩みもひっくるめて、ゆっくり育っていってほしい。

 

そんな余裕のない教員や学校、社会が、教員不足を生んでいるような気がしてならない。